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原元美紀の女子アナワークショップ

これまでの活動記録

女子アナワークショップ、ジャーナリスト清水 潔氏による「報道の力」を開催しました!

初のオンライン企画「報道の力」を開催しました。

今回の講師は、ジャーナリストで日本テレビ特別解説員、記者の清水 潔さんです。

桶川ストーカー殺人事件や足利事件など、数々のスクープで知られる清水さんには

これまでも報道研修を開催していただいておりましたが、

女子アナワークショップ5周年を機に新たに顧問として就任していただきました。

今回は初のオンライン開催。

これまでは飛行機や新幹線に乗って全国各地のアナウンサー達がぞろぞろと参加してくれるが

恒例の光景でしたが、

オンライン化したことで皆さん各地から参加しやすくなったのは大きなメリットですね。

また、今回はすべて収録して、アーカイブの見逃し配信で視聴できるようにしたところ、

「当日は参加できないけれど、アーカイブで見たい!」という方がたくさんいました。

当日リアルタイム参加(早退、遅刻OK)が12名、アーカイブ視聴が13名の、合計25名。



さあ、オンラインだから帰る時間を気にしなくて良い!

とばかりに白熱授業がスタート!

4時間の予定が、1時間半もオーバーでした!

まず第1部は、清水さんの「調査報道」の事例から桶川ストーカー殺人事件を取り上げ、

なぜたった一人だけ被害者の関係者から信頼を得ることができたのか。

そして、なんのために報道があるのか、報道に何ができるのか、

また、報道被害をなくすために大切なこと、

というテーマで講義していただきました。


「なんのために報道があるのか」、この問いに迷いなく即答できる人がどのくらいいるでしょうか。

報道に携わる者として欠かせない「中立、公平、公正」のスタンスは指標にもなりますが、

時として多くの苦悶を産むことがあります。

そこに答えはあるのか。

私たちは自分で経験して答えを見つけるしかなく、辿り着く前に力尽きてしまう人も少なくありません。

今回清水さんに力強く明快な答えを示していただき、

「こんなにはっきりと納得のいく答えが聞けるなんて。

もっと早く知っていたら、もっと何かできたのではないか」

と大粒の涙を流しながら悔やむ声が多数上がりました。

そして、第2部は、「いま現場で求められるアナウンサー」というテーマの講義です。

いま、大きく変わりつつあるメディアの世界に焦点を当てました。

広告という収益方法が変わってきた中で、

テレビ、ラジオなどは大きくハンドルを切らざる得ない時代に突入。

舞台がネット転換していく中でアナウンサーという仕事はどう変わっていくのか。

そしてこの世界で生き残るためには何をすべきなのか。

新聞、出版、テレビという3つのメディアで勝ち抜いてきた清水さんに、そのヒントを聞きました。

清水さんの初出しの必勝法なども伝授。


第三部は、参加者に事前アンケートを実施して、取材やインタビューに関するお悩みや疑問に答える時間。

たくさんの声が寄せられました。

「実名報道はどうしても必要か?」

「被害者を前に、かわいそうな気持ちが先に立って突っ込んできけなかっった」

「ヤラセの線引きとは?」

「取材相手の感情や言い分とどう向き合うか」

「取材相手とどのくらい打ち合わせをするものなのか」

「アナウンサーは記者クラブに入っていないので、情報が取りづらい」

「【真実】を伝えるのに【ストーリー】は必要か」

どの質問も一度は悩んだ経験があるようなものばかりで胸が締め付けられます。

今風に言うと分かり味があり過ぎるといったところでしょうか。

最前線の現場で壁を突破する考え方や実践的なテクニックを、

マスコミの視点から清水さんがアナウンサーの視点から私が回答しました。

最後は、清水潔さんの取材の極意。

  • 相手との距離の取り方

  • 現場で何に気付けるか

  • 相手の心の開き方

若い人たちに伝え残そうという清水さんの気迫に、みな真剣に聞き入っていました。

みんなが知りたかったことを惜しみなく聞かせてくださり、清水さんには心から感謝です。

ありがとうございました。

私がこのワークショップを作った理由の一つに、

「あれだけ憧れたアナウンサーになれたのに心が折れてしまった。

もう何を目標にしたら良いかわからない・・・」

と挫折する人を救いたいというものがあります。

30年アナウンサーをやってきて感じる法則は、

「アナウンサーになること」そのものを夢にしている人は、特に脆い傾向にあるということ。

それは、合格した瞬間に夢が叶ってしまうから、もう夢が終わってしまうんです。

かといって、

「アナウンサーになって何をしたいか」を夢にするのもちょっと違うのです。

アナウンサーとして生き残っている人に共通している【 限りなく正解に近い答え 】は、

「アナウンサーという立場を利用して、何をしたいか」です。

「自分の人生をかけてやりたいことがあって、

それを実現する方法としてアナウンサーが一番近いからアナウンサーになった、という人であれ」

実はこれは私自身が新人の時に先輩から言われた言葉です。

一言で言うと、「志し」。

アナウンサーになってのしかかるのは、

大き過ぎるプレッシャー、地道な努力の積み重ね、孤独な職業でもあります。

この仕事に真剣に取り組む人ほど、道の険しさ、現実と理想のギャップに苦しみます。

その日々を救ってくれるのが、「志し」。

志しはどんなに回り道をしようと、

見上げたら変わらず進むべき方向を示してくれる北極星になってくれます。

今回の講座は、

一人一人が自分の北極星を見つけてくれることが

私の一番の目的でした。

今回参加した皆さんはどう感じたのでしょうか。こんな感想が寄せられました。

*あっという間の5時間でした。

第一部では局アナ時代に清水さんの話を聞きたかったと悔しい気持ちになりましたが、

三部を見終わった後、早く取材やインタビューがしたいと感じ、

新たな北極星が見えた気がしました。

*被災者への取材で感じていた

"本当にこんなに辛い思いをした人に話を聞かなければいけないのだろうか"という疑問も、

「公共性、共益性」というおまじないのような言葉でスッキリしました。

知る権利のために、腹を括ってやらなければいけない仕事もあるのだなと改めて実感しました。

*あっという間にメモもノート13ページ分、ペンを握っていた右手は腱鞘炎になりそうです。

こんなに熱い気持ちで学べる機会をくださりありがとうございました。

*今回の学びで分かった、何に向かってやっていくのか。

そして原元先生がおっしゃっていた北極星のようなものを

少しずつでも自分なりにはっきりさせていきたいと思います。

*報道とはなにかを考えるきっかけだけでなく、

今後生き残るための◯◯力についても聞けるとは思っていなかったので、参加して本当によかったです。

「◯◯とはこれまでの人生の蔵出し」という清水さんの言葉が非常に心に残りました。

*「伝えるために取材する」「相手の立場に立つことが全て」

正直、大切な信念が薄くなっていたことに気づき、恥じました。

自分のために仕事をするようになっていた気がします。

*第三部のQ&Aは何度もうなずきながら視聴しました。

同じ報道で働く皆さんの葛藤に共感しつつ、

原元先生と清水さんの具体的かつ実践的なアドバイスに聞き入りました。

インタビュー時に相手から欲しい言葉を自然に引き出す方法、

現場で何に気付けるかという視点、

取材相手との健全な距離感の保ち方などは深く納得しました。

今回、原元先生や清水さんにお話しいただいた内容を今日の取材から取り入れ、今後しっかり心に刻みます。

*(アーカイブ視聴で)お話を聞いて、

ああ、私の志していたものは間違ってなかったんだと嬉しく思うと同時に、

心を折る前にこのお話を聞きたかったという気持ちでいっぱいになりました。

今は子育てで一年ほど報道から離れていますが、

いつかまた関われたらなと思う機会となりました🔥 また、参加した皆さんのキラキラした、何かに気付いた表情も素敵でした。

***

みんな自分の北極星を見つけたようですね。

真っ直ぐ受け取ってくれたこと、自分で考えることが大切だと感じてくれたことがただただ嬉しいです。

考える、感じる、動くことをこれからも丁寧にね。

きっとなりたかった自分になれる日が来ることを信じて頑張ってね。

女子アナワークショップは、ブラッシュアップしたい女子アナのみなさんをお待ちしています。

あなたは一人じゃない。一緒に学びましょう。

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